【決算発表】2914 日本たばこ産業 2022年12月期第1四半期

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今回は、日本たばこ産業について決算の内容を確認して投資対象となるのか、また、投資するタイミングかどうかを検討してみました。

JT、1-3月期(1Q)最終は9%増益で着地

 JT <2914> [東証P] が4月28日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。22年12月期第1四半期(1-3月)の連結最終利益は前年同期比9.1%増の1241億円に伸び、通期計画の3560億円に対する進捗率は34.9%となり、5年平均の30.0%とほぼ同水準だった。

 

 直近3ヵ月の実績である1-3月期(1Q)の売上営業利益率は前年同期の29.3%→30.7%に上昇した。

《引用:株探ニュース》

決算資料の解説

第1四半期累計決算【実績】

決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 対上期
進捗率
発表日
I    20.01-03   5,196億円 1,290億円 1,151億円 864億円 48.7円 50.9% 20/04/30
I    21.01-03   5,474億円 1,601億円 1,563億円 1,138億円 64.1円 49.8% 21/04/30
I    22.01-03   5,815億円 1,784億円 1,747億円 1,241億円 69.9円 22/04/28
前年同期比 +6.2% +11.4% +11.7% +9.1% +9.1%    

ロシアとウクライナとの戦争によって心配されていましたが、第1四半期に関しては増収増益でした。ロシアには4つの工場があるそうですが現状は稼働中でたばこの販売も行っているそうです。

配当の状況

  年間配当金
  第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
2021年12月期 65円 75円 140円
2022年12月期        
2022年12月期(予想)   75円 75円 150円

配当予想の修正は無しでした。2022年予想は、150円のままです。

連結業績予想

決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 1株配 発表日
 2020年12月期   2兆926億円 4,691億円 4,201億円 3,103億円 174.9円 154円 21/02/09
2021年12月期   2兆3,248億円 4,990億円 4,724億円 3,385億円 190.8円 140円 22/02/14
2022年12月期(予想)   2兆3,150億円 5,340億円 3,560億円 200.6円 150円 22/02/14
前期比 -0.4% +7.0% +5.2% +5.2%    

業績予想の修正は無しでした。修正1株益は、200.6円と+5.2%増です。

ロシア市場における現在の状況及び通期業績予想への影響について

ロシア市場への現状と今後の予想について決算説明資料に下記のような記載がありました。

ロシア市場における事業概況
• 昨今の情勢を踏まえ、全ての新規の投資及びマーケティング活動等を停止し、本年上期に予定していたPloom Xの上市も延期
• 事態の長期化等により、当社グループによる安定的かつ持続的な事業運営に著しい支障が生じる蓋然性を踏まロシア市場におけるたばこ事業運営のあり方について、当社グループ経営からの分離を含めた選択肢の検討を行っているところ

財務影響及び通期業績予想への想定される影響
• 短期的にはロシアにおけるPloom Xの上市延期に伴う販促費等の減少はあるものの、複数のコスト増加リスクを認識
– 具体的には、世界的なエネルギー価格の高騰、輸出入に係るコストの増加 等
• ロシア市場に関する見通しの不確実性、上記の当社における検討状況を踏まえ、第1四半期決算時点においては通期業績予想の修正は⾒送り、第2四半期決算以降に必要に応じて修正を行う
• 2022年2月14日に公表した2022年12月期連結業績予想において、当社グループ全体の売上収益及び調整後営業利益にロシア市場が占める割合はそれぞれ約8%、約15%
• RUBが円に対して前提レートから1%変動する場合、調整後営業利益に対して15億円程度の影響が生じる見込

《引用:JT決算説明資料》

 

現在、ロシア市場におけるたばこ事業の分離を含めて検討していて、さらに、通期業績予想の修正を第1四半期決算では見送り、第2四半期決算以降に行うとしているので、分離を決断したときの検討も必要でしょう。

株主還元

株主還元方針

●強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指す

●資本市場における競争力ある水準として、配当性向75%を目安とする

●自己株式の取得は、当該年度における財務状況及び中期的な資金需要等を踏まえて実施の是非を検討

株主優待廃止

理由

株主の皆様への公平な利益還元のあり方から

配当等による利益還元に集約

廃止時期

2023年の株主優待品の発送を持って終了

対象:100株以上を1年以上継続保有

配当推移

年度 配当金 配当性向 配当利回り
2014年12月期 100円 50.08% 3.00%
2015年12月期 118円 38.62% 2.64%
2016年12月期 130円 54.36% 3.38%
2017年12月期 140円 62.07% 3.86%
2018年12月期 150円 67.33% 5.73%
2019年12月期 154円 77.79% 6.33%
2020年12月期 154円 88.04% 7.33%
2021年12月期 140円 74.43% 6.03%
2022年12月期(予想) 150円 74.80% 6.73%

財務 【実績】

決算期 1株
純資産
自己資本
比率
総資産 自己資本 剰余金 有利子
負債倍率
発表日
 2019.12   1,501.12円 48.0% 5兆5,531億円 2兆6,627億円 2兆7,505億円 0.37 20/02/06
2020.12   1,421.92円 46.9% 5兆3,814億円 2兆5,228億円 2兆7,837億円 0.38 21/02/09
2021.12   1,583.10円 48.7% 5兆7,742億円 2兆8,093億円 2兆8,638億円 0.33 22/02/14
22.01-03   1,637.49円 50.6% 5兆7,474億円 2兆9,058億円 2兆8,749億円 0.33 22/04/28

自己資本比率は、50.6%と1.9%増加しています。

投資判断

指標 2022年5月2日

株価 2,228円

配当利回り 6.73%

EPS(2022年12月予想) 200.61円

PER 11.11倍

BPS(2022年12月予想) 1,637.49円

PBR 1.36倍

過去5年平均PER

決算期 2018.12 2019.12 2020.12 2021.12 2022.12(予想)
EPS 215.31円 195.97円 174.88円 190.76円 200.61円
平均EPS 195.51円

過去5年平均PER:2,228円/195.51円=11.40倍

PER・PBRのレンジ

年度 株価 PER PBR
安値 高値 安値 高値 安値 高値
2017年12月期 (2/7)
3,607円
(5/24)
4,243円
16.46 19.37 2.34 2.75
2018年12月期 (12/26)
2,481円
(1/25)
3,708円
11.52 17.22 1.69 2.53
2019年12月期 (9/4)
2,179円
(2/21)
2,899円
11.12 14.79 1.45 1.93
2020年12月期 (7/31)
1,797円
(1/15)
2,438円
10.28 13.94 1.26 1.71
2021年12月期 (3/2)
1,898円
(12/17)
2,417円
9.95 12.67 1.20 1.53

PERレンジ 9.95倍~19.37倍

PBRレンジ 1.20倍~2.75倍

検討結果

配当利回り 6.73%  

自己資本比率 50.6% 

増収増益 

PER(過去5年平均) 11.40倍 

PBR 1.36倍 

買いのタイミング

EPSレンジから買いのタイミングを検討することにする。過去5年のPERの下限値から10%以内に株価が下がったタイミングで株を買っていきたい。

買いPERレンジ 9.95倍~10.95倍

2023年3月予想のEPS(200.61円)より株価のレンジを計算すると、

株価レンジ 1,996円〜2,197円

となる。現在株価が2,228円なのでもう少し株価が下がったタイミングで買い増しを行いたいところです。

ロシアたばこ事業を分離した場合の検討

ロシア市場が占める調整後営業利益の割合は、約15%ということなので1株益200円のうち15%が失くなってしまう。

200円✕0.85=170円

1株益170円となると配当性向75%だと配当金

170円✕75%=約127円となる。

株価2,200円とすると利回り

127円/2,200円✕100=5.77%

 

今回は、以上となります。

※投資判断は、自己責任でお願いします。

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